ビジネスメールは「距離を縮める」格好のチャンス
ビジネスのコミュニケーションは、ここ数年で、ずいぶん変わったと思いませんか?
対面のコミュニケーションが減り、ついこの間まで、マイナーなツールだったビデオ通話が当たり前の存在になりました。他にもビジネスチャットが定着したり、電話の頻度がぐっと減ったり…。メタバースツールを入れる職場も、増えてきています。
そんななかでも、変わらぬ存在感を見せるのがメール。ある調査によると、ふだん使うビジネス上のコミュニケーションツールは「メール」という回答が最も多く77.6%。次いで「電話」が74.7%、「ビジネスチャット」は46.4%という結果が出ています。
「メールでのコミュニケーション」を制する者はビジネスを制する! と言っても過言ではありません。
なぜビジネスメールに絵文字が必要なのか?
メールはビジネスコミュニケーションの王様であり、今後しばらくは、そうあり続けるでしょう。でも、決定的な欠点がありますよね。
そう、「感情が伝わらない」ことです。
絵文字という便利なツールがあって、PCのメールソフトでも普通に使えるのに、「ビジネスメールではNG」が一般的な考え方でしょう。でも、コミュニケーションで感情が伝わらないって、もどかしいだけでなく、ビジネスとして大きな機会損失ではないでしょうか?
1. EQ(Emotional Intelligence、感情知能)の重要性
ビジネスのコミュニケーションで感情を伝えることが重要なのか? もちろん重要であることは、毎日現場で戦っている読者のみなさんが、よくご存知でしょう。
近年では、EQがビジネスシーンで重視されています。IQが知能の発達を示すのに対し、EQはいわば感情をマネジメントする能力です。感情を出さないということではなく、ピンチのときこそ冷静にポジティブな感情を伝えたり、関係が薄くても相手の立場に共感することで、信頼を獲ることができます。
絵文字はEQを発揮する絶好のツールです!
2. 聞き上手は存在しない
よく「伝え上手」「聞き上手」と良く言いますよね。
ただテキストコミュニケーションにかぎっては「聞き上手」は存在しないとワタシゴトは考えます。
聞き上手とは、 相手の話に真剣に耳を傾け、相手の気持ちに配慮しながらうまく受け答えができる人のことです。
「感情が伝わらない」ビジネスメールで、相手の気持ちの配慮が出来るのであればそれはきっとエスパー、もしくはとっくの昔に相手との信頼関係が築かれているといえるわけです。
つまりは、「伝え上手」になるしかないのです!
3. 多様化、国際化
日本的な文化・文脈を共有するコミュニテイでは、言わずもがなで気持ちが伝わったかもしれませんが、これからはそうは行きません。わかりやすい例では、日本語を母国語としない人たちと、ビジネスでコミュニケーションをとる機会が増えてきます。
(感情も含めて)言いたいことを正確に伝えたり、関係性を築くのに、今までどおりの方法だけでは、
足りなくなります。多様性の社会でこそ、感情をわかりやすく伝えられる絵文字が力を発揮します。
ビジネスメールに絵文字を使ってみた!
以上の理由から、ワタシゴト編集部は、「ビジネス絵文字をスタンダードに」を提案します!
早速、実際に使ったらどうなるか、シミュレーションしてみました。
絵文字無しのメール
絵文字ありのメール
2箇所入れただけで、だいぶ印象が変わっていませんか? また、この程度なら、ある程度フォーマルなビジネスメールでも使えると、筆者は思うのですがどうでしょう?
試しに、周辺に意見を聞いてみました。
- 製品への自信が伝わってきた。もらったらうれしいメール(30代男性)
- 感情が見えて嬉しい。でも文章がかたいのでもっと絵文字が欲しいかも。(20代男性)
- 絵文字がある方が、嬉しい返信をしたくなる!(20代女性)
調子に乗って、もっと絵文字を入れてみました
- ビジネスとしてはちょっと距離が近すぎて失礼に感じるメール(30代男性)
- 何が伝えたいのか気が散る文章だなあ(20代男性)
- 個人的には嫌いじゃないけど、軽そうに見えるかも・・・(20代女性)
うーん、絵文字をたくさん使えば良い、ということではないようです。
マイナスな連絡ではないことは伝わりますがビジネスの関係としては、馴れ馴れしい感じの文章になってしまいました。
会話で感情的なことばを乱発すると、信ぴょう性がなくなるのと同じで、絵文字もここぞというところで使うのが効果的。
「抑制的なビジネスシーンだけれど、どうしても感謝を伝えたい!」
たったひとつの絵文字からは、そんな気持ちが伝わってきたのではないでしょうか。
ビジネス絵文字の3カ条
ビジネスメールで絵文字を使うメリットを再認識したところで、具体的な方法を考えてみました。
ワタシゴト流「ビジネス絵文字3カ条」、ぜひ御社でも取り入れてください!
つたえたい感情をひとつだけ決める
製品の良さをつたえたいのか、相手に使ってほしいという気持ちをつたえたいのか、はたまた緊急事態が発生してしまい困っていることを伝えたいのか。
数が多ければ、大げさな印象や調子がいい人と捉えられてしまう可能性もありますから注意が必要です。伝えたい事はたくさんあると思いますが、ここは欲張らず1つに絞りましょう。
コミュニケーションで大切な「相互理解」を深めるためには、まずは相手に正しく自分自身の考えや感情を伝えることに意識を向けることが大切です。
その上で、感情や思考が共有し相互理解が深まっていくことで信頼関係が生まれ
「またこの人と一緒に仕事をしたい」と思わせる第一歩となるわけです。
事実を伝える文に入れる
「まずは相手に正しく自分自身の考えや感情を伝えること」と先述しましたが
この「考え」や「感情」がどんな事実から生まれたものなのか、というところが相互理解を図るうえで、非常に重要なポイントになります。
例えば、
「本日の、お打ち合わせありがとうございました☻」
よりも
「本日はお打ち合わせにて、メンバーの皆様と直接ご挨拶の機会をいただき、
ありがとうございました☻」
より具体的に事実と、自分の内にある考えや感情をセットにして読み手に伝えることで
「相手からこうと思われているだろう」という他人からの視点と、「自分にはこんな一面があるかもしれない」という自分の主観をより明確に把握し、一致することにつながります。
顔の上半分と下半分で表情の絵文字を使い分ける
表情の絵文字は顔の出せないテキスト上で、自分の代わりに百面相をしてくれます。
ではどうやって、自分の感情に適した顔文字を選ぶことが出来るのでしょうか。
ある研究で「人が感情を判断する際に重視する顔の部位が、判断する感情によって違っている」という結果が出ています。[小越1]
例えば、怒りや恐怖、驚きや悲しみは、顔の上部(額、眉、目)の影響を多く受け、喜びや嫌悪は顔の下部(口、鼻、頬)の影響を多く受けるというものです。
これにならって、例えば、プロジェクトの遅れや遅延などの悲しい連絡は
目や眉が大きく動いているもの、
成功や、感謝を伝える際は口に大きな動きがあるものを選んでみるのがいいでしょう。
ビジネスメールは「距離を縮める」格好のチャンス
ビジネスメールはコミュニケーションツールで、関係性を構築できる格好のチャンスです✨
「絵文字は不適切だ」「使ってはいけないもの」と決めつけるのではなく、自己表現のツールとして活用することで、まずは相手に自分を知ってもらう、きっかけになるのではないでしょうか。
ワタシゴト編集部は積極的に絵文字を使っていきます!
みなさまもぜひまずは身近で、頻繁に連絡を取る相手への連絡にビジネスメールに絵文字を使ってみてはいかがでしょうか!